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ドラマ諸々

火垂るの墓
いろいろなTBやコメントを頂き、自分でも方々のレビューを拝見してみました。
やはり主題の「戦争」そのものについての意見を、今の風潮に照らして語られている方が多いのに驚きました。
私としてはドラマというものからはストーリー的な中身に注目したく思っているので、触れなかったのですが、いくつかのレビューを拝見した中で、どうしても一つだけ触れて起きたいと思うことがでてきてしまいました。
「軍人は国なんて護っていません。嫌がる人を無理矢理戦争に行かせて虫けらみたいに殺すだけです」次いでは「日本が負けようが国がどうなろうがお腹はすくでしょう」
...という松嶋奈々子の台詞です。
あるレビューでこのような台詞は口に出せた状況ではなかった。と有りましたが、私も聞いたとき、「え!?」と驚いたのでした。そのとおりだと。
製作側がどのような意図でこの台詞を出したのかは判りませんが、どうせ使うならば、多分あのあたりの状況ではほとんどの人がそう思っていたにしろ、それを口に出すことも出来ない(すれば犯罪者として逮捕される)という事をだしてほしい、そういう理不尽な状況下であったということを知らせるような演出に加えて欲しかったと思います。
また、そこから見ると最初のオジが亡くなったときの少年の言葉は、少年の配慮無さのような形で書かれていたがそうではなく、子供から大人までを支配していた台詞だった(それが常識)と思います。
むしろ夫を戦争で無くしたことを嘆き悲しんだ妻が非難される状況であった。何しろ戦死した人は英霊として祭られるものなのですから、喜びこそすれ悲しむなどは許されなかったという。
そうなると、最初のテーマからして(男の子の配慮無さとされる言葉でオバが辛く当たり始めた)疑問がいっぱいになってしまいますのですが。
最近これに属するような言論の規制の話題でマスコミが取り上げているようですが、自分たちが書きたいことを表せなくなるということしか眼中に無く、取り上げても居ないように思います。
戦時中の言論や思想統制にマスコミも果たした役割を一考して欲しいとも思いますね。

大奥
何しろ谷原章介という人物と徳川綱吉という将軍の取り合わせが関心だったので、女性陣には目が行かなかった、というより、内容自体も置いていたのでしたが、ちょっとおさらいしつつ、今度は見てみました、第4回。
何か、目に付いてしまうのですね、有り得ない~?が。
まずは一番のインパクト、お伝の安子に対するリンチですね。
自分でやるか?そんなこと?と思ってしまった。
何か危害を加えるにも、普通あれだけ位置の高い人なら自分で手は下さず、腹心のもの(この場合腰元とか?)にやらせるとか。これは現代でもそうだと思うのだけれど。それともそれをやってくれる腰元も居ないのだろうか?出身が低いお伝ちゃんには。それはそれで可愛そう!
しかしそれこそばれたらただでは済まないだろうし。世継ぎどころか、自分の出身の家が取り潰しでしょうよ。
同じ理由で安子。
この人のほうが、いくら母親と自分の夫も犠牲にさせられたとはいえ、大奥に上がってその元凶の将軍をやっちまおうとは。
それこそ牧野家、完全に取り潰しですよ。
将軍ですもの。その気に成れば、大名だって潰せるのですから、ひとつの家など何の造作も無いでしょ。
看破したお傍付きもさぞ度肝を抜いたことと。

このころの思想というか、価値観?は何しろ「家」というのが大事で、その家さえ安泰ならば良いということ。そしてその安泰にさせるのは将軍(もしくは殿様)の意に従うということではなかったか、と思うのですね。もともと将軍に仕えるというのが第一なのですから。どんな理不尽があっても。(嫌な時代だ)

もうひとつ、右衛門佐に役を与える上様~?
実はこの場面外していて見てないのですが、直に下したのならば??ちょっと疑問が。
以前大奥ではないのですが、奥について読んだ書物があり、奥の機構は女性ですべて執り行っていたとか?当然人事面もで。
ついでに申せば、男性(殿)が渡る時も、奥に伺いを立てて許可を得て初めて渡る事が出来たとか。
奥と言う場所はかなり権威が確立してあった場所のようです。

このドラマの場合は火垂るの墓などと違って、メッセージ的なことも無いでしょうし、水戸黄門的なノリと見ればよいのでしょうから、あげつらう方が野暮とも思えるのですが、あまりに女の戦い(バトル)を強調しているような感じの上に目に付いてしまったのですね。そしてその有り得ない~?に白熱するバトルを見つつもどうも臨場感が感じられず、白けていってしまって...。

これに限らず、特に時代物などは中途半端に真実を匂わしておいて(この多くも登場人物ほぼ実在ですし)差異が目立つようよりは、はじめから「創作」を前面にした方がすっきりするように思えるのですけれど。
ちょうど放映された北野武の「座頭市」のように。
時代劇にタップダンスは、有り得ない~!しかし映像として楽しければ良いのですよ!

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コメント

TBありがとうございました。
同感です。
「平和の大切さを伝えたい」という製作者の気持ちはわかりますが、疑問がいろいろ生じるともうその時点で心が動かされなくなります。

TBありがとうございます!
こちらからもさせていただきました。
大奥、たしかにありえないことだらけですよね。
私がありえないと思うのは、お伝が側室になったこと。身分も低く教養もなく、しかもあの怖い顔。なのに、あそこまでなっただけでも、たいしたもんですよね~。でも、今回はお伝かわいそうでした。

火垂るの墓は見逃してしまいました。残念です・・・。

TBありがとうございました!
私は戦争モノ(特に悲惨さを強調したもの)は苦手で見ていないのです。
「大奥」ではお伝の方は、館林にいた時に上様のご寵愛を賜ったとナレーターが確か言っていたような??私はどっかで見初めた人なんだろうなぁと思ってました。

>直に下したのならば
 大奥総取締になりたいと言って、その後すぐに画面が変わって上様が言ってましたから上様のトップダウンかと思われます。
私もあれれ?と思ったのですけど…

「火垂るの墓」のスレッド読ませていただきました。ドラマの演出云々言うなら日本が戦争に負けて玉音放送を聞いている人達のシーンもまた、私が聞いているイメージと違いました。その場で露骨に喜びをあらわにするというよりも戦争に負けた後の日本人は占領されてどうなってしまうのだろう?女は強姦されて・・とかの不安が先だったと。
これが全てでは無いにしろ漫画、ドラマはデフォルメされる物です。ドキュメンタリーでは無いのです。作品の出来不出来を論じるのはそれはそれでおもしろいのですが。

皆様、コメント有難うございます。


robitaさま
多分台詞の使い方など、現代的解釈ゆえだとも思ってはいるのですが、こういうテーマの作品はどう判ってもらうかよりも、当時の状況を出来るだけ正確に映し出す方が説得力が有ったではないのかな?とも思っています。


キスケさま
あれほど後から出てくると、というか、見落としていましたがまだまだ有りますね、こう迄だと見事かも^^
お伝の怖い顔。
あれも悪役を強調する上でのメイクと見て取れるので、実は白け気味に見えてしまっています。
別に普通の小池栄子の表情で良いのではないかと。


miyukidayuさま
う~んと、このドラマはどちらかだと「実録?物」だと思っているので。これが他の時代劇の類、しょっちゅうお年にめげず出歩いているお偉いご隠居とか、これも周りの目を掠めて街中に抜け出している将軍様とか、ありえないことを前提の創作を前面に出しているのなら良いとは思いますが、ほとんど実在人物で、出来事も実際にあったかもしれないというのを醸し出しているつくりに見えますわけで、それがあまりにちょっと疑問の多くなるものですと、ストレートに受け入れられないと成ってきてしまっているので。これはどうドラマを捉えているかになると思いますので、個々によって仕方の無いことかもしれませんね。


サクランボさま
お伝さんは出身が低いといっても(確かにあの中では低かろうですが)一応武家の出なのですし、そんなに卑屈にならなくても、と思ってしまいますが。綱吉さん(がそれ承知で呼んだのだろ~とも思いますしね)には居なかったかも知れないですが、お方様になられた女性、町人からの人も居たようですし。
それでその出身も将軍のそばにいる女性となればそれなりの手順も踏むわけですし、そうなるとあの展開も...と思ってしまったりして^^

大奥、ちょっとコメントでは尽きないし、まとめたいので、改めて記事にしてみようと思います。


tomoさま
アニメやドラマは所詮創作、作り事。
私もそう思っています。そして実際を映し出しているドキュメンタリーに勝るものは無いと思っても居ます。(ただしこれとても編集や演出などにより多少の変化も有るものですが^^;)
先の記事は台詞の使い方が気になっただけで、テーマの戦争はマスコミもそういう台詞への疑問=つまり当時の思想の統制に一役買っていたわけなのですから、この作品を作るのもマスコミなわけなので、もう少し状況把握なり考慮なりが有っても良いのではないのでは?と思ってしまったのでした。

こちらのブログを私の今日の記事に取り上げさせていただきました。
一応TB試みてみますが、たぶん届かないと思いますので、HNから入ってください。
どうかよろしく。
お名前を「フライングさん」としてしまいましたが、ohさんでしたか?

TBありがとうございましたm(_ _)m
TB記事を見させて頂き、思ったことをこちらからのTB記事に書かさせて頂きました。

robitaさま
この項の話題は情報を流すとかなどでは無く、私の感じたこと・思ったことをそのまま書き連ねていると言うものですので、参考などに成るのかどうかは

鴨さま
記事、拝見させていただきました。
そのように共感していただけまして、とても嬉しいです。
元々このような項(感想などの話題)は、思ったり感じたことをそのまま出していると言う感覚でいますので、正直言ってドラマ感想にこれほどのような反響が来るのの意外さで驚いても居ますのです。
それに対して鴨さまのようなご意見はもちろん、他の方の様々なご意見(たとえ否定的でも)もとても参考にも成るし嬉しいものなのですね。

鴨さまには、私の方からも近々そちらにてコメントさせていただきたく思います。

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